こんにちは、東京学芸大学4年の別木萌果です。
2017年は代表を、2018年3月から2020年3月までは副代表を務めていました。
大学を卒業するタイミングでivoteも卒業するということで、卒業文集なるものを書いてみようと思います。
選挙に行こうと言われても困る
私は小学生の時から環境問題や人権問題に関心を持っていました。
だから18歳に選挙権が引き下がって初めての参議院選挙(2016年7月)では絶対選挙に行きたいと考えていました。
しかし当時の私は自民党と共産党の違いがわからない。
「選挙に行こう」と書かれたポケットティッシュを啓発ボランティアのおばあさんに配られたとき、「こんなものを配って若い人が選挙に行くと大人たちは思っているのだろうか?」と思ったのです。
「選挙に行こうと思えない、行きたくても投票の仕方がわからない、そんな若い人の気持ちがわかる私こそが、政治と若い人の橋渡し役となれるのではないだろうか?」。
思っていた以上に高い出前授業の需要
ivoteに入って驚いたのは毎年依頼される出前授業の数。
今年はコロナウイルスで学校が休校になったため出前授業も結構なくなったのですが、それでも毎年15校前後の依頼があります。
選挙権が18歳に引き下がり出前授業の依頼があるのはまだわかるのですが、素人大学生が話すことにここまで需要があるとは思っていませんでした。
教員志望の私にとってこんなに光栄な役割はありません。
せっかく数百人の児童生徒と政治を考えられる2時間、できるだけ濃いものにしたい。
そう思い、最新の時事ネタを取り入れる、地域の課題に合わせたテーマを扱う、依頼先の先生の教育観を反映させるなど、授業の内容をアップデートさせることに時間を費やしました。
押し付けの主権者教育では届かない
しかしいくら授業内容を工夫しても解決できない問題が3つありました。
- たった2時間の出前授業では「主権者教育っぽい」授業にしかならないこと
- 評価をしない出前授業は生徒にとって「休憩時間」になりかねないこと
- 「選挙に行こう」「政治に関心を持とう」といった態度育成を目指す啓発では、画一的な主権者像の押し付けになってしまい、共感できない児童生徒には届かないこと
出前授業を頑張れば多くの学校の児童生徒に主権者教育ができるとどこかで思ってしまっていたのですが、それはやはり簡単なことではありませんでした。2時間で主権者は育たない。
しかし教師になったとして、主権者教育の評価についてどのように行うべきかという問題はずっとわからないままでした。
私が出前授業で試してみて少し可能性を感じたのは自己評価。
どのようなことを学べたのか、どのようなことを疑問に思ったのか、どんな主権者になりたいと思ったか、といった項目について授業を振り返りながら自己評価を行うことができれば、画一的な主権者像の押し付けにもならないし、出前授業の意義も生徒が見いだしやすくなるかもしれません。
ivote卒業後
ivoteは政治に関心があるというだけの(政治に特段関心があるわけでもない学生もいる)大学生高校生の集団ですが、「今度の選挙ではどんな企画を行うのか」「出前授業に来てほしい」等、様々な期待をこれまでいただいてきました。
私自身は特にそうなのですが、そのような期待に応えるために時間を費やして頑張ることができたと感じています。
そしてこれからはこれまでいただいた期待を超えて主権者教育の発展に貢献するため、大学院に進学し、主権者教育(特に評価)についてさらに研究を行うつもりです。 これからの別木萌果と、そして新世代ivoteにご期待ください。
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