今こそ知っておきたい! リアリズムとリベラリズム

政治コラム

イントロ

皆さんは、「リアリズム」、「リベラリズム」という言葉を聞いたことがありますか?

「リアリズム」、「リベラリズム」と政治学、特に国際政治や国際政治経済といった分野で使われることが多い考え方です。

この2つの考え方は、単に国際政治の分野だけでなくあらゆる場面でも応用することができます。

リアリズムって何?

『リアリズム』とは簡単に言うと、世界政府が存在しない無政府状態(アナーキー)の国際社会の中で、どう生き残るかを追求した考え方で『力』(国力→軍事力に変換可能)と『安全保障』を求めます。

国力と安全保障の追求がリアリズムの大きな特徴ですが、他にも重要な特徴として、・国際政治は国家がアクター ・国内は一枚岩で意思は基本的に統一されている ・国益(主に安全保障)と国力を追求する。 ・国家間の力関係は軍事力のバランスで決まる ・国家は打算的

といったものがあげられます。

特に国家は一枚岩という考えはリベラリズムとは対照をなすものです。

また、国際的な制度は大国が自分の国益を確保しまた増加させるための手段としてとらえます。

リベラリズムって何?

『リベラリズム』はリアリズムと対照的な考え方で、リアリズムが国家間の関係は力によるものと考えているのに対し、より協調的であると考えています。また、NGOなどの組織に注目して、国家は一枚岩ではなくその内部は多層的、多様的であり、国家が求めることもリアリズムの「軍事力」や「安全保障」のみではなく、様々なものになっています。

国際的な制度は相互に目標とする利益の達成を協調によって達成するための手段として考えます。

今こそ必要なリアリズムとリベラリズムの視点

この2つの考え方は一見正反対のように見えますが、その実ゴールへ行くためのルートが違うだけであるといえます。

国際連合を例に取ると、リベラリズム的な視点では、「国家間の協調を促進することで相互利益を追求し、国際平和を実現する」というようになります。一方リアリズム的視点では、

「国際連合の枠組みに入ることで、自国の安全を保障し、国力の増加を図ることができる。また他国もこの枠組みに入っていることでその動きを抑制、監視することもできる」というようにみることができます。

この2つは結果的に戦争を防ぐことにつながっています。

このことが示すのは、一見違うように見える考え方も突き詰めて見てみると同じゴールを達成することができるということです。

リアリズムとリベラリズムの考え方は少し応用することで、国内政治は勿論、日常の人間関係や議論にも使うことができます。

参考文献

飯田敬輔著『国際政治経済』東京大学出版会 2007年

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