東京、丸の内。
多くのビジネスマンや観光客が行きかうこの街をずっと見守ってきた建物があります。
その建物の名は、丸の内ビルディング、通称 丸ビルです。
実は今日2月20日は、丸ビルの96回目の誕生日!
今回は、誕生日を迎えた丸ビルの歩みやその魅力、そして2月20日にまつわる出来事について書いてみました!!
丸ビルの歩み
丸ビルは1923年(大正12年)に地上8階地下1階のオフィスビルとして、三菱によって建てられました。
しかし、当時から丸ビルは単にオフィスビルとしてだけなく、下層部分に飲食店などの各種商業施設を配置するなど、現在にも通じる先進的なものでした。
また丸ビルは戦前、国内最大の大きさを誇りその存在感は今も色あせてはいません。
しかし、そんな丸ビルも老朽化によって取り壊しが検討されるようになります。
その動きに日本建築学会は保存の要望書を提出するなどしましたが取り壊され、2002年に下層階に昔の面影を残す高層ビルとして生まれ変わりました。
丸ビルの魅力
1階にはイベントスペースが設けられ、様々なイベントが開催されています。その他にもお洒落なファッションブランドや雑貨、そして数多くの飲食店が入居しています!
是非こちらの、丸ビルフロアガイド をご覧になってみてください!
また、丸ビルの魅力は建物の中だけではありません!
一歩外へ出れば、そこは東京のど真ん中。
周辺には東京駅をはじめ、歴史ある建物がいくつもあり、丸ビルが完成した当時の東京の面影を見ることができます。
また日が落ちれば丸ビルの前の行幸通りには明かりが灯り、昼間とは違った雰囲気を楽しむことができます!!
2月20日と第1回普通選挙
ところで、丸ビルが作られた1920年代は大正デモクラシーのただ中で、国民の間で政治参加の風潮が高まっていました。
そんな中、平民宰相と呼ばれた原敬によって初の本格的な政党内閣が成立することになります。
原内閣は選挙権の納税資格要件を引き下げ、選挙権の拡大を行うなどしましたが、丸ビル完成の2年前、1921年に東京駅で暗殺されてしまいます。
その後、1925年(大正14年)に普通選挙法案が成立し、1928年(昭和3年) 2月20日に普通選挙(男子普通選挙)が初めて実施されました。
これによって一応の民主主義、政党政治の形が出来上がったのですが、国内外の政治・経済的課題に直面し、また政争が激しくなっていったこともあり次第に支持を失っていきました。一方で軍部が台頭、そして、5.15事件で犬養首相が暗殺されたことによって政党政治は終わりを迎えます。
戦後、日本では政党政治が復活、また女性にも政治参加の道が開かれることになりました。
それから70年余りを経た現在、「一強多弱」と言われる状況にある政党政治。そして全体的に低下傾向を続ける投票率、特に若者世代の政治への不信や無関心が問題視される中、東京の中心で世の中の移ろいを見守ってきた、丸ビルには今の時代はどんな風に見えているのでしょう?
おわりに
普段何気なく通り過ぎている街中にも、ちょっと立ち止まって眺めてみると思いがけないところに歴史や政治的な出来事とのつながりを見つけることができます。
ぜひ皆さんも普段よく行く場所やその周辺について一度調べてみてください。
きっと面白い発見があると思います!
<参考資料>
『史料にみる日本の近代 開国から戦後政治までの軌跡』国立国会図書館
『東京(丸の内・大手町・有楽町)エリアを知る歴史』三菱地所オフィス情報
『丸の内ビルディングの保存に関する要望書』日本建築学会 1997
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