日本財団が「18歳」を対象に政治や社会、仕事、恋愛などをテーマにして実施しているインターネットアンケート、「18歳意識調査」。
『第20回-社会や国に対する意識調査-』(2019年11月30日)では、日本、アメリカ、韓国、インドネシアなどを対象として『自身について』というテーマ6項目を設けて調査を行った。(図-1参照)その結果はいずれの項目でも日本が最下位というものだった。
これについて笹谷侑矢さんは、「日本の若者は社会への関心が薄い、選挙に行かない」等、既に言われてきたことの実態が改めて浮き彫りになったと語る。その要因として笹谷さんは次の2点を挙げている。
政治参加を必要としていない
1つは、【政治参加を必要としていない】これは、若い人ほど行政の恩恵を感じる機会が少ない為で、自分で生活することが容易であればあるほど、行政への関心が薄まり、反対にファミリー層や高齢者層など、行政サービスを受けていると感じる機会が多ければ多いほど、自分たちを取り巻く状況やその変化に関心を持つようになる、と指摘する。
周りに政治を語る人がいない
もう1つの要因は、【周りに政治を語る人がいない】自分の周りの政治の話をする人がいない、若しくはいても煙たがられるような環境にいると、自然と政治から足が遠のいていくという。そもそも知人や他人と政治について語る「場」が少ない中で、謎にタブー視されている政治の話をするのは難しいという。
そしてそれはひとえに、政治と自分たちの生活に距離があるからだと指摘する。では、行政サービスという形では政治と接点の少ない若者が、それでも政治に興味を持つとしたらその理由は何なのか?笹谷さんは、あまり注目されていないものの、効果的な方法として【知り合いが立候補した】をあげる。これは、自分の知人や友人が立候補すれば誰しも、多かれ少なかれ政治の興味を持つという。
実際に、笹谷さんが豊島区議会選挙に立候補した際も、今まで投票に行ってなかったけど、初めて行った。あるいは、政治に関心を持った、という声が多く寄せられたとのことだ。
自身の体験を踏まえ、笹谷さんは、「知り合いが立候補」は若者の政治参加に大きな意味がある、という。普段、政治の話をすると煙たがれることが多くとも、知人友人が政治をするとなるとその意味合いはまるで違ってくる。今まで遠い存在だった政治が急にリアルに感じられ、本来は投票よりハードルの高い政治参加であるところの選挙活動の手伝いにも参加するかもしれない。
また、自分と同年代、あるいは近い年代の立候補者がいることは投票するときの選択肢として強い意味合いがあり(もっとも、そもそも若い人が出ていることを知らしめるのが難しいのですが・・・)、逆に世間でよくされているような政治参加の訴えかけに、笹谷さんはそこまで価値を見出していないという。
何故なら、「興味を持とう!」「投票に行こう!」と言われて行くような層はそもそも訴えかけがなくてもある程度自分で調べて行くだろうし、いわば政治参加予備軍みたいな層だからだ。
もちろんそういった層にアプローチすること自体大切だ。しかし、「若者に政治参加を」団体がしたいことはそこのアプローチではなく、無関心な人たちにいかに関心を持ってもらうか、という場合が多い。無関心な人たちに政治参加を促したいのであれば、言葉による説得よりも、政治参加しやすい環境を作るのが一番早い、と笹谷さんは指摘する。
人物紹介
笹谷侑矢(25) 1994年生まれ。東京大学文学部卒
豊島区YouTuber、イベントバー「エデン」経営
豊島区議選に出馬。1,300票獲得も落選。
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