こんにちは、ivoteの正生です。ivoteの基幹事業に主権者教育があります。2018年度は小・中・高校に対して年間10校以上に出前授業に行いました。主権者教育とえば、ivote!少しずつブランディングもできてきた気がします。
では実際にどんな授業をしているの?
そんな質問に答えようと思い、この記事では私の作成した講話を紹介します。
なぜ講話が大切なのか
模擬選挙は、さまざまやり方があります。ivoteが行うほとんどの模擬選挙は大きく4つのステップで行われます。
- 講話(なぜ選挙に行かないといけないのか、どうやって政治のことを考えれば良いのか、というような話)
- 演説(架空の候補者を立てて、政策そのものや、その政策が必要な理由、目指す社会の演説)
- グループワーク(演説や、前もって配っている資料をもとに、グループワークを通して、投票先を選んでらう)
- 模擬投票(実際に投票まで体験してもらう)
この中で、最も重要なパートは、「講話」だと考えています。なぜなら、今回の模擬選挙にはどういう意味があるのか。この「意味付け」の部分が講話に託されているからです。
ivoteの講話に決まったフォーマットはなく、以下のような要素を考慮して、その都度作り替えています。
- 生徒の年齢、レベル、
- 授業の人数規模
- 先生の要望
- 講話者の伝えたいメッセージ
今回の記事で紹介する講話で想定しているのは以下のような、状況です。
- 対象は高校生
- 人数は数百人規模(体育館でやるようなイメージ)
- 講話の時間は15分
そして、この模擬選挙を通して伝えたいことは、
一人一人が平等に主人公なのが民主主義。しかし、その民主主義は実践してこそ、平等になれる。だから、実践の一つとして投票に行こう
ということです。
この講話でも、そのことが伝わるように頑張っています。
講話は、スライドを使って進めます。しかし、スライドは話したいことのイメージを伝えるがメインで、内容の多くは話しで伝えています。今回の記事では、話しの内容は、文字で起こしています。
それでは、ご覧ください!!
講話:政治って何だろう
ではでは講話の始まりです。今回の講話は4つの構成になっています!
自己紹介「政治との出会い」
最初に簡単に自己紹介をします。こちらの情報は作成当時のものです(永遠に2年生ではありません笑)
さて、このスライドで表現しているのは高校時代の私のイメージです。テストで赤点ばかりを取っており、特に部活もしていなかった、無気力人間でした。(笑)
▶この頃の話はコチラでも詳しく書いています(笑)
しかし、私は翼を授かったかのように、はばたくことになります。なぜか。それが“政治”との出会いでした。
高校生時代トウモロコシばかり食べていた正生が、なぜ“政治”に魅せられたのでしょう。
理由は私が高校生時代にだ行われた3つの選挙にあります。
私が注目したのはこれらの選挙にある3つの共通点です。
①直接国民・府民が、国・地域の在り方を決める大きな選挙だった
②若者の投票率が相対的に低かった
➂結果的に若者の投票先と、全体の決定が違う方向になった
これらの選挙の結果に、良かった・悪かったと言いたいのではありません。社会の意思決定に若者が関わろうとしていない現状こそが、問題意識になりました。
また、政治に対する意識も変化することになります。
これによって“月の裏”で行われているような政治が、、、
自分たちが主役で、その選択の延長戦上にあると、考えが変わりました。ここから民主主義のその仕組みや、在り方に興味が湧き、その探求が自分の目標になったのです。
政治って何だろう
それでは、改めて政治って何だろう?を考えてみましょう。これは、いろんな答えがあるし、それでいいと思います。ここでは、私が考える“政治”の姿をお話します。
皆さんは“政治”についてどんなイメージがありますか?
えらそうな人が、かしこまって話しているイメージ?
国会議事堂で議論をしているイメージ?
ダークなイメージを抱く人もいるかも知れません。
しかし、私はもっと身近なところから政治を考えてみてもいいと思うのです。
政治って何でしょうか、、、
「私は社会の意思決定をすること」だと考えています。
例えば、
EUを離脱するかどうか、これも社会の意思決定ですね
合唱コンクールの例をどうでしょう。何を歌うか、誰が指揮者をするか、いつ練習するか。バラバラの意見があるなかで、みんなの意思決定をする必要がありますよね。
お父さんが他の件に転勤に。単身赴任に?一緒に行く?家族でも意思決定をする機会に溢れています。
これ、全部社会の意思決定だと思うんです。
イメージはこんな感じ。バラバラの個人が、形成する社会。その中で何か決め事をする。これは私の考える政治です。
しかし、決めると言ってもいろいろありますね。誰が決めるのか、先生?お父さん?
どうやって決めるのか?これもいろいろですね。
そこで、選挙や民主主義という考え方があると思います。
民主主義って何だろう
それでは、民主主義って何でしょう。これも幅広い概念で一概に「これだ!」と言ってしまうことはできません。私の考える一つの民主主義のカタチをご紹介します。
例として、家族という一つの社会を考えてみましょう。
仲の良い家族がいます。
しかし、ドーナツが一つしかない。これはどうしましょう。
決めなければなりません。誰が食べるかを。しかし、どうやって決めましょうか。いろいろ方法はあります。
戦って強い方がもらう。これも一つの決め方ですね。
このようにむごい争いになるかもしれませんが、、、
“お父さん”だから、という理由で決めるのも良くあるかもしれません。
逆に、子どもだから決めていい。という話しもあり得ますね。
お金も分かりやすい話です。
一番お金を積んだ人が、ドーナツをゲット
こんな風に、意志決定のやり方は様々です。実際に日本という国レベルの政治でも、お金持ちの男性にしか選挙権がない時代がありました。
でも、改めて考えてみましょう。民主主義って何だろう。
私は「1人1人が平等に主人公」ということだと考えます。
「富」どれだけお金や資産を持っているか
「名声」地位や、血筋がどれだけ良いか
「力」どれだけ腕っぷしが強いか。
それらに関係なく「1人1人が平等に主人公」で、等しく声をあげられる。これが民主主義だと思っています。
まとめてみましょう。
政治は社会の意思決定です。そのやりかたに民主主義があるそして、民主主義のもとでは1人1人が平等に主人公である。ということでした。
投票に行こう
さて、最後に投票について考えてみます。
実際に日本の投票率を見てみます。
資料作成時の去年は、2017年の第48回衆議院選挙を指します。
実は10代20代の投票率は、35%です。おおよそ3人に1人ですね。
世代別にみるとこのようになっています。若者の投票率が低いの明らかです。
白いタスキをしている人が、選挙に立候補している人です。例えば、赤い人しか政治に参加していない場合、立候補者は赤い人しか認識できません。そこに、対して、新たに青い人が一人、また一人と政治に参加することで、見える景色が変わってきます。
※実際には、最初は赤い人だけ映っていて、クリックする度に青い人が増えていく仕様になっています。
ここまで、平等平等という話しをしてきました。
今の日本では、18歳以上になると、平等だから、政治から一人一票を平等にもらえます。
しかし、見方を変えると
私たちが一人一票を行使することで、初めて平等になるんです。
私は、みなさんの投票や政治参加を通じて、一人一人が平等に主人公な民主主義を育て、守り抜いてほしいんです。私も、そういう気持ちで投票をしています。
▶出前授業の次のパート「候補者演説に続く」
おわりに
いかがでしたか。今回の講話は、正生オリジナルで、メンバーそれぞれが、ニーズに合わせて講話をつくっています。
講話に限らず、授業の改善は、答えのない戦いです。いろんな方のフィードバックが欲しいので、何か感想や意見がある人は、学生団体ivoteのTwitterに(@ivote_students)に@ツイートを飛ばしてみてください。
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※この講話は以下の講演を参考に作成しています。
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