【シカゴ留学体験記】なぜシカゴでは政治の話が楽しいのか

政治コラム

お久しぶりです!現在アメリカのシカゴで留学中の Lisa です!

あっという間に留学の半分が終わろうとしていますが、こっちに来て感じたこと、気づいたこと、特に大学生の政治意識について綴ってみようと思います。また、留学を踏まえて、日本の若者が抱える「政治について気軽に話しにくい問題」について私なりの意見も後半で語っているのでぜひ最後まで読んで頂けると嬉しいです!

まず、シカゴはいったいどこにあるのか、留学先が決まった時は何も知りませんでした。調べるとイリノイ州と分かりましたが、正直全くピンとこない(笑)。アメリカのミッドウエスト(中西部)と呼ばれるエリアに位置していますが、私の頭の中では「西海岸=カリフォルニア、東海岸=ニューヨーク、南部=テキサス、中央=???」って感じでした。こうして、ほぼ未知の世界に飛び込んでみました!

シカゴってどんな街?政治情勢は?

シカゴはアメリカの三大都市のうちの一つで、ダウンタウンは仕事や観光など多くの人で賑わっています。また、シカゴといえばアルカポネ!1920から30年代にかけてギャングの街として栄た歴史的な都市でもあります。

イリノイ州全体としてはどちらかというと保守的ですが、シカゴ周辺だけは非常にリベラルのようです。現在の上院議員2名はどちらも民主党で、過去にはオバマ前大統領もイリノイ州の代表として上院議員を務めていました。今年の大統領選挙で民主党の強力な候補者として注目されているバーニー・サンダースもシカゴ大学出身です。このように有名な政治家も数多く輩出しているところです!

しかし、シカゴはとても大きくて近代的な街であると同時に治安の悪さでもよく知られています。シカゴ周辺での貧富の差はまだ非常に深刻な問題として存在しており、地域によって町の雰囲気や治安はガラッと変わってしまいます。

シカゴ南部の治安と大学環境

私が現在留学しているシカゴ大学は、シカゴ南部のハイドパークという地域にあります。ハイドパークのみを除き、南部は非常に治安が悪くて危険というのはここでは有名な話です。どれくらい危険なのかというと、「日が暮れた後は絶対に一人で出歩くな、ハイドパーク外の危険地域をどうしても通らないといけないなら車で赤信号無視してでも突っ切ろ!」と現地で知り合った全ての人に言われました。大学からも、キャンパス近くの犯罪情報が頻繁にメールで送られてきます。たった一本の通りを境目に、ハイドパークとその周りの地域の生活水準はあまりにも違っていて、アメリカ全国にまだまだ存在する貧困・格差の問題を間近に感じられる環境の中私たちは日々勉強しています。

こういう環境にあるためか、学生たちの日頃からの政治意識は高いです。「意識が高い」というのは適切な表現か分かりませんが、シカゴ大の学生は純粋に関心を持っている+社会問題・政治に関連づけて物事を考える習慣がついている気がします。どうやって習慣づけているかというと、やはりとことん話し合うことに限ります。そして普段から家族や友達とたくさん話し合っているからこそ、「相手の話をもっと聞きたい、自分の意見も聞いてもらって反応を見たい」と思い、政治という真面目な話題でも会話が弾みます。もし意見がぶつかったら、むしろ衝突にスリルを感じて更にじっくり議論します。とにかく、このようなディスカッションをしている人たちはみんな楽しそう!特に私は留学生なので、「日本ではどうなの?」とみんな興味津々に聞いてくれます。また、政治家の講演やセミナーなど何かしらのイベントが毎日あり、キャンパス内でのリソースが非常に豊富です。しかも無料ピザ付き!(笑)

でも日本のあの空気じゃ…

ivoteの中でも何回も議論されているのが「なぜ日本の若者の間では政治について話しにくい空気があるの?どうしたらそれを変えられるの?」という問題。まだ答えは見つかっていません。はっきりした答えがあるのかも分かりません。先ほどから話し合いが大事!と言っていますが、今の日本ではどうやって政治について気軽に話しやすい環境を作れるのでしょうか?

私なりに思うのは、カジュアルな話題を政治的な話に持っていくのではなく、元から真面目な話題をカジュアルに議論した方が話しやすい。どうやってカジュアルにするかというと、自分の経験・自分だけの視点を交えて、自分のストーリーとして話すことです。例えば「シカゴの冬は寒すぎて外に出る気にならなかった!でもそれだから冬は犯罪率も低くなるんだって」も、「今朝満員電車で1つだけ席が空いてたんだけど、誰も座らないのかなと思ったら隣に外国人観光客が座ってた。こんなにグローバル化しきてる東京でも外国人はまだ完全には受け入れられてないんだね。」も、自分だけが見聞きしたからこそ自分にしか話せないユニークな話です。「あ、でも私も旅行先でこんな経験した」と、社会問題に焦点を当てつつ自分の経験談はいくらでも話せるし、ディスカッションというよりは普通の会話のテンポで話せますよね。

今の私が一番伝えたいこと:「自分だけの『レンズ』を使おう」

他にも様々な地域で留学している友達の話を聞いてみると、人種差別を直接目の当たりにした、自分自身経験した、という話をよく聞きます。例えば、新型肺炎の流行に伴ってアジア人という見かけだけで差別されたため、改めて世界に存在する差別問題を認識し、興味を持つようになったという友達がいます。他には問題点でなくても、日本と常識が全く違う、授業に出てみて考え方のアプローチが違う、といった話も。そしてみんな口を揃えて言うのが、「留学という体験を通して社会の見方が変わった」ということです。

私たち留学生は違う文化・社会で育った外国人として、現地の人とは違う「レンズ」を通して物事を見ています。この「レンズ」があるからこそ今まで気づかなかった社会の良い点、悪い点を発見することができるし、普段は自分には関係ないと思っていたことが急に身近に感じたり、逆に今まで身近すぎて気づかなかったことを再認識できるようになったりします。

留学に限らず、自分が育った環境、家族構成、公立学校・私立学校、経済力、仕事のように様々な要素が私たち一人ひとりの「レンズ」を形作っています。自分の人生は自分しか経験していません。そのため私たちは皆、何かしら自分独自の「レンズ」・視点を持っているはずです。その「レンズ」を使うと 真面目なトピックも面白くユニークに語れるようになって、少しは「友達と政治・社会問題について話しにくい」空気を変えられるのではないでしょうか。

これが私の最近感じたことです。留学も残り半分ですが、悔いのないように毎日を過ごしたいと思っています。では!

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