ドイツの難民支援施設でボランティアをして

ドイツの難民支援施設でボランティアをして

6,850万人・・・・

2017年末の時点で、世界中でこれだけの人々が「難民」としての生活を余儀なくされています。

難民問題は現在私たちが抱える課題の中でも、特に根深く重要な解決すべき課題の一つです。

アラブの春以降、緊張と混乱が増したアラブ・中東地域からは数多くの難民が発生し、欧州に逃れることになりました。

しかし、彼らのその後について日本にいる私たちはあまり知るが機会がありません。

そこで今回は、ドイツ、マンハイムに留学中ながら現地の大学の難民支援団体(Nice to meet you e.V) に入り、実際に難民支援施設でボランティア活動をしている、大学4年生の花田さんに色々とお話しを伺いました。

シリア紛争の報道を見て

「難民支援施設で活動をするようになったきっかけは何ですか?」

「私が大学1年の頃(2015年)から、シリア紛争に伴う難民の急増は度々国際問題として報道されていました。それを見て自分も何かしたいと思い続けていたことと、直接難民と呼ばれる人とかかわることで、もっと難民問題について深く知り、考えたいと思ったことです。」

避難要請者から難民へ

「ボランティア先はどのような支援を行っているのですか?」

「ドイツに来た避難要請者(asylum seekers)の方々は、初めに一時的な滞在場所へ行き、そこから難民としての認可手続きを行い認可されるまでの滞在場所、そして難民として正式に認可を受けて以降の滞在場所と、大きく3段階の場所に移動・滞在します。

私のボランティア先は、難民として認可を受けるまでの滞在場所で、健康診断や認可申請手続きなどを行います。

ドイツでは難民として認められると多くの権利が他の市民とほぼ同様に認められますが、その以前の段階なので、まだ就労・就学が基本的には認められていないなど制限が多いです。」

簡素なマンション

「施設の設備などの様子はどのような感じですか?」

「施設の外観は簡素なマンションのような建物で、入り口で証明を窓口に見せる必要があります。

内部は個人(1人~3人程か)または家族ごとに部屋があります。部屋内には暖房器具とベッド、冷蔵庫がありますが、台所とトイレ、シャワーはいくつかの部屋の人と共同です。

また、カフェスペースもあり、お湯などはそこでもらえるようです。ソーシャルワーカーの方が申請手続きや生活上の問題等の相談対応を行っています。

ちなみに、施設内にはFree Wi₋Fiが通っています。」

住民同士の交流

「この住宅施設に住む方々は様々な場所から様々な理由で来ているので、このような場を設けることで住民間の交流を促進し、安心感を得たり、互いの信頼関係を築いたりすることが重要と考えられています。

その為、ドイツ語講習(週3回)に加え、子供の遊ぶ場所(保育園のようなイメージ、週三回)やカフェの会や料理会、サッカーなど住民同士の交流を進める取り組みがされています。

私は週に一度開かれるカフェの会のボランティアをしています。みんなで音楽やゲーム、お茶をしながら談笑する、とても穏やかで温かな会です。」

普通の生活を送れるようになりたい

「設備はある程度整っているように思えるのですが、難民の方はどう感じているのでしょう?」

「難民の方に話を伺うと、この場所は比較的良いと話す方もいますが、私の印象では不自由や様々な困難を感じている人が多いと思います。友達がなかなかできない、働きたいのに働けない、学校に行って早くドイツ語を身に着けたいがそうはできない、などの声をしばしば聴きます。ドイツに来ている方々は祖国から複数の経由国を通って来ているので、『早く普通の生活を送れるようになりたい』、という焦りを感じることもあります。」

思いやりの大切さ

「難民支援施設で活動して感じたことを教えてください。」

 「一番に感じることは、人の温かさです。とにかく私のボランティア先で出会う方々は優しく、温かい人が多いです。私のほうが元気をもらうことも度々あります。また、紛争や迫害などで笑顔がなかなかできなくなってしまった人もいますが、思いやりを持ったコミュニケーションがまた心を回復するために一番重要であると実感しました。」

約140か国の人々が暮らす町

「昨今、欧州では難民への反発が強まっていると聞きますが、実際はどうですか?」

「ドイツでは東の地域では反対運動などもニュースになっていましたが、私の住むマンハイムではそういったことは耳にしていません。マンハイムは中規模の町ですが、約140か国の人々が住む国際色豊かな町なのでだれが難民か、などがわからず、トルコ人街などはありますが多種多様な国の人が溶け込んでいるという印象です。」

「難民」から「友達」に

「私は『難民』という名前は時にレッテルとなると思っています。当たり前だけれど「難民」の方々も一人一人の個人で、様々な人がいます。でも、直接関わることなく、ニュースだけで見ているとよくその一人一人や具体的なことを知らないので、怖いなどのマイナスな印象が先行しやすいと感じます。

私は個人として難民の方々と付き合うことを初めは意識的にしていましたが、徐々にごく普通に一個人として、友達として感じられるようになってきたと思います。」

直接自分で知る、関わる

「この経験を通して実感したことはありますか?」

「私は「直接自分で知る、関わる」ということの大切さを実感しています。一人一人と直接関わり、言葉、心を通わす中でしかわからないこと、気付きがあるので、これからも幅広く様々な人やものを自分自身で関わることを大事にしたいと思います。

難民の方々についても、より多くの方に関わってもらい、身近に感じてもらいたいと思うので、今後も自分のできることを探して積極的に行動していきたいです。」

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