【大坂なおみ選手のメディア対応を受けて】記者の質問、本人の選択

政治コラム

※この記事は政治市民育成団体Civisによって2018年1月30日に公開されたものを編集しなおしたものです。

アジア人の快挙

先日行われた全豪オープンで、大坂なおみ選手が初優勝を飾りました。28日付の世界ランキングでは、女子シングルス1位にも輝きました。


世界ランキングでの1位は男女合わせても、アジア国籍選手では初めての快挙とされています。日本人としてはやはり誇らしいことであり、メディアでも大きく取り上げられました。


試合の内容とその結果が取り沙汰される中、試合後の会見での出来事がSNS上で話題になっているようです。

二重国籍と言語

27日に開かれた優勝インタビュー会見で、複数の日本人記者が大坂選手に日本語でコメントを求めたことが、Twitter等で疑問視されています。


大坂選手は日本国籍を持っていますが、同時にアメリカ国籍も保持しています。本人は幼いころにアメリカに移住しており、英語で生活してきたため日本語は流暢ではありません


日本国籍を持ちながら日本語が得意でないというギャップからか、大坂選手に対するインタビューでは日本語でのコメントを求める機会が多いように見受けられます。その度大坂選手は困惑気味になりながらも一言二言日本語で返していましたが、今回は事情がやや異なりました。


会見の中で、相手選手についての質問の回答を日本語で求められた際、大坂選手は「英語で答えます」と断り、英語で回答しました。


ここから、ネットでは記者に対する批判と大坂選手の態度への賞賛が巻き起こったようです。

求められた「日本語」

批判の中身は、逐一「日本語で」と求める記者の態度を疑問視するもので、その枕詞が不快であるという内容を発信する人が多いようです。


中には大坂選手の対応に触れて、細かなニュアンスまでもしっかり伝えるために、苦手な日本語ではなく英語で話したかったのだろうという推測をするものもあり、相手選手へのリスペクトの表れだ称賛するものもあります。


いずれにせよ、今回の記者の質問と大坂選手の対応は、日本のメディアの反省点が浮き彫りになった出来事と言えるでしょう。

メディアの在るべき姿

過去のインタビューから、大坂選手の試合中の気迫からは想像できないチャーミングな印象が話題になり、そこからファンになった人もいると言います。日本の記者が日本語での回答を求める背景にも、こうした事情があるのかもしれません。


しかし公平、中立であるべきメディアが、今回のような回答を誘導するような質問の仕方をすることは、大きな問題です。アスリートへの質問、それも試合の内容について尋ねるものであればなおさら、より正直な回答ができるようにするべきでしょう。


確かに大坂選手は日本国籍を持っていますが、前述のように本人はアメリカで育ち、日本語も不得意な方です。インタビューに真摯に対応すればこそ、あえて記者の質問に断りを入れたのかもしれません。


自分に向けられた質問にどのように答えるかの選択権は、彼女自身にあります。そこを念頭に置かなければ、適切なインタビューとはなりえないでしょう。
かねてから話題にもなっている、日本とアメリカどちらの国籍を選択するかという問題もからめ、今後メディアの対応の改善が求められます。

大坂なおみに「日本語でコメントを」 記者会見での質問に「しつこい」の声(J-CATニュース)
https://www.j-cast.com/2019/01/27348942.html

大坂なおみ 全豪オープン優勝で会見
https://www.youtube.com/watch?v=W4hiLdO1958 1
https://www.youtube.com/watch?v=hJglDSmmiRw 2
https://www.youtube.com/watch?v=sdgF6zrtZpw 3

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