日本発ゲーム会社の強み

政治コラム

『ポケットモンスター、縮めてポケモン』

この文言を知らない人は、恐らく日本にはいないでしょう。ポケットモンスターシリーズは任天堂発のゲームソフトで、今なお日本だけでなく世界中で愛されている作品です。

実は今日2月27日は、このポケットモンスターシリーズの第一作である『ポケットモンスター 赤・緑』が発売された日だそうです。

今回はこの任天堂の持つ特徴から、日本の企業と経済・政治について書いてみようと思います。

任天堂の変わったところ

任天堂と言えば、言わずと知れた日本を代表するゲームメーカーであり、スーパーマリオなど数々のヒットタイトルを持っている企業です。ファミコンやゲームボーイをはじめゲーム機本体も数多く開発しており、最近ではNintendo Switchが発売され、大きな話題となりました。

また2017年には、フォーブスによる「世界で最も信頼される企業」ランキングで、ウォルトディズニーを抑えて4位にランクインしました。

このように任天堂は世界でも認められるほどの大企業ですが、実は日本の代表的な企業の中では、大きく変わった特徴をもっています。

それは、「経団連に加盟していない」ことです。

経団連に加盟するということ

経団連のホームページでは、企業が経団連に加盟するメリットとして、

  1. 自社の意見を経団連の政策提言に反映させることができる
  2. 企業経営に関わる情報をいち早く入手することができる
  3. 加盟企業同士の交流関係を広げることができる
  4. 機関誌によって経団連の活動状況、政策の動き、提言内容などをタイムリーに知ることができる

が挙げられています。

一般的には、他社と協力して政府に提言することや企業同士のネットワークが広がることで自分たちがビジネスをしやすい環境を整えられるというのは、企業にとっては大きなメリットになります。

一方で、加盟企業は同時に、行動憲章や就活ルールなどの制約も課されることになります。経団連の挙げるメリットを感じなければ、この制約に縛られるだけになるため、脱退を選択する企業も出てきます。

なぜ任天堂は経団連に加盟しないか

では、なぜ任天堂は経団連に非加盟のままでいるのか。その理由は明確には示されていません。

しかし、利益の大きさの割に社員数がそれほど多くないことや施設規模の小ささ、借金がないことなどから、政治的な駆け引きが介入する隙がなかったという見方があります。

また任天堂が万人受けするゲームを作り続けており、ゲーム以外の事業に手を伸ばしていないために、余計なしがらみが増えなかったことも理由として考えられています。

経団連に加盟していないことで、経団連と関りの強いメディアなどからは目の敵にされているという意見もありますが、前述のフォーブスのランキングで日系企業の中で、最上位にランクインしたことからも、任天堂が日本で最も成功し、かつ信頼されている企業であることは間違いないでしょう。

おわりに

2月も終わり、そろそろ就職活動が本格的に始まってくる時期になりました。就活生の多くの皆さんが様々な企業の特色や体質に関心を持っていることでしょう。

ですが、行きたい企業について調べるのであれば、是非その企業の表面だけでなく、その企業自身が経済や行政とどのように関わっているのかといったことまで見てみるのも良いかもしれません。

それまで見えなかった特徴が、きっと見えてくるかと思います。

<今日のことば>

経団連:「日本経済団体連合会」の略称であり、日本の代表的な企業1376社などから構成される総合経済団体のことです。

その目的は「日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与すること」とされ、経済界の課題についての意見のとりまとめや、行政との対話を行っています。

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