国家安全保障維持法と香港の未来

国家安全保障維持法と香港の未来

6月30日に香港で「香港国家安全維持法」が全国人民大会常務委員会で可決され、夜11時ごろ施行されました。7月1日はイギリスから香港が返還された日ですが、その前日に情勢が大きく変わることになりました。

いったいどのような法律なのか、そして香港の将来はどうなるのでしょうか

「香港国家安全維持法」の中身

取締りの対象

(1)国家の分烈

(2)中央政府の転覆

(3)テロ活動

(4)国外組織と協力して国家の安全を脅かす

これらの行為に違反した場合は刑事罰を科すことが可能になります。

最低3年、最高刑無期懲役という重い罰が下されます。

裁判

香港はそれまで外国籍の裁判官が多く、「司法の自由」がありましたが

この法律関連に違反した(国家安全保障に関わる)場合での裁判は香港行政長官が任命するため、判決が「中国より」になると懸念されてます。

優越性

さらに香港の法律と相反する場合は「国家安全維持法」が適用されるとされています。

国家安全維持公署の設置

さらに香港に治安当局が「国家安全維持公署」を設置し監督・指導を行うとともに、国家の安全を脅かす犯罪などの捜査や情報収集を行います。このためデモの主導者などが逮捕され、本国に送還される恐れがあります。

今後、人民代常務委員会はこの法律を香港に適用するために「香港基本法」(香港の憲法にあたる)の付属文章に盛り込む予定です。

デモは

この法律の成立を受け、これまでデモ活動などを行ってきた民主派団体は解散しました。

周庭さんは香港生まれの現在23歳でデモシストの創始者の一人でした。

日本語でSNSで発信していました。

今後どうなるのか

上記から

1 デモ活動などが刑事罰の対象となり、集会の自由が失われる

2 この法律違反により「中国本土より」の判決となり「司法の自由」が失われる

3 治安維持に中国本土が関与してくる

4 国際社会からの非難

など「一国二制度」が崩壊しかねなくなります。

国際社会は

多くの海外企業が集まり、さらにアジアの金融ハブとして経済の中心となってきた香港はイギリスから1997年7月1日に返還され、「50年間」は特別行政区として「一国二制度」のもと高度な自由(集会、表現の自由)、資本主義の制度の維持が保証されるとしてきました。この法律によりこれらの自由が奪われることになり、国際社会からの批判を受けることは確実となります。

これに対し、中国は「内政不干渉」と批判を退けています。

アメリカ

これまで香港の貿易上の優遇措置をとっていましたが廃止に向けて

精密機器の輸出を困難にする措置を行うとともに

中国当局のビザ発給制限をかけるとしています。

イギリス

ビザ規定を変更し約数百万人に「イギリス市民権」が獲得できるようにするとしています。

日本

菅官房長官は会見で誠に遺憾であると述べました。

引用

      香港国家安全法が成立、中国が7月1日にも施行…一国二制度形骸化 読売新聞 6月30日

   香港国家安全維持法案可決 中国全人代常務委 香港メディア NHK 6月30日

中国、香港国家安全法制を可決-黄之鋒氏や周庭氏が民主団体離脱へ Bloomberg 6月30日

中国、「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決 BBC News Japan 6月30日

香港国家安全法案を可決 中国「一国二制度」骨抜き 日本経済新聞 6月30日

治安機関「公署」で管轄権行使 香港国家安全維持法案、概要公表―中国 時事ドットコムニュース 6月30日

英首相、香港人のため移民規則変更を検討 国家安全法に反発 BBC News Japan 6月30日

「香港国家安全維持法」が施行 最高刑は無期懲役 BBC News Japan 7月1日

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