なぜ北朝鮮はミサイル開発をやめないのか

政治コラム

5月4日午前9時ごろ、北朝鮮が日本海へ飛翔体とみられるものを複数発射したと報じられました。

韓国との南北首脳会議や米朝首脳会談が開催され、さらには非核化の期待感も高まり、北朝鮮の動向は落ち着いてきたとみられましたが、一連の問題解決への道のりはまだまだ長いようです。

今回の記事では、北朝鮮がミサイル・核開発を続けるワケを考察していきます。

北朝鮮ってどんな国?

基本データ

正式名称:朝鮮民主主義人民共和国

人口:約2515.5万人

面積:約12万㎢

首都:平壌(ピョンヤン)

北朝鮮誕生までの歴史

1905年 韓国併合→朝鮮半島が日本の支配下に

1945年 日本敗戦→北緯38度以北を旧ソ連が、以南を米国が管轄

1948年 北朝鮮政府樹立、同時期に大韓民国成立

1950年 北朝鮮が南侵→朝鮮戦争勃発

1950年6~9月 北朝鮮軍はソウルを制圧し、釜山まで進出

1950年9~11月 韓国軍は国連軍から援護を受け、ソウルを奪還し中朝国境付近まで進出

1950年10~1月 北朝鮮軍は中国義勇軍の援護を受け反撃 

1953年7月 休戦協定締結

このように北朝鮮と韓国は戦争を終結させたわけではありません。形としては休戦という状態にあります。終戦宣言は南北統一に向けて非常に重要な課題であるので、南北首脳会談で大きな焦点となりました。

政治

北朝鮮は中国と似た政治体制を採用しています。絶対的な権力を持つ朝鮮労働党以外の政党は「衛星政党」に過ぎず、政権交代の可能性は全くありません。つまり事実上の独裁体制となっています。金正恩氏は第一書記という役職に就いており、政治・軍の実権を担っています

参考:外務省 北朝鮮基礎データ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/data.html#section1

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日本との関係

日本と北朝鮮間に正式な国交はありません。周知の事実であると思いますが、拉致問題、核開発問題を抱えていることから関係は依然として良くないですね。

拉致問題

拉致問題とは・・・ 1970年代から1980年代にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明となった。日本の当局による捜査や、亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であることが明らかになった。

参考:日本国政府 北朝鮮による拉致問題とは
https://www.rachi.go.jp/jp/ratimondai/index.html

現在日本政府が認定している拉致被害者は17人います。平成14年には5人の被害者が帰国を果たしますが、それ以降は膠着状態にあります。

しかしそんな中先日、トランプ大統領との会談を経て安倍首相は「 私(安倍首相)自身が金正恩・朝鮮労働党委員長と条件をつけずに向き合わなければならない」と発言し、首脳会談実現可能性を明らかにしました。

拉致問題の解決の糸口となるでしょうか?

参考: 外務省 北朝鮮による日本人拉致問題
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/abd/rachi.html

東洋経済オンライン 安倍首相「北朝鮮と直接対話」発言の真意
https://toyokeizai.net/articles/-/280882

なぜミサイル開発をやめないのか

国際社会から経済制裁を受け、苦しい状態を強いられているにもかかわらず、北朝鮮はGDPのおよそ25%を軍事費に費やしています。ここまで軍事開発に力を入れるのはなぜでしょうか?

自国体制の維持

かつてイラクやリビアは核保有をしなかった結果、米国や西欧諸国から圧力、干渉を受け、体制崩壊したしまった過去があります。

金委員長はこのことを踏まえ、体制を堅持するためには核保有が不可欠であると考えているようです。そうした核攻撃能力があれば、米国が北朝鮮に対して核攻撃を思いとどまらせられるという狙いがあるとされています。やはりアメリカへの牽制は大きな理由であるようです。

参考文献: 斎藤直樹「北朝鮮の核・ミサイル開発の現状と課題について考える」
file:///C:/Users/ta1nk/Downloads/AN10065043-20180630-0079.pdf

非核化路線であえて…

米朝首脳会談、南北首脳会談を経て、朝鮮半島非核化の実現に期待がかかりました。

しかし、冒頭でも述べたように、今月初旬に北朝鮮は飛翔体を発射しました。なぜわざわざ国際批判を招きかねないことをしたのでしょうか?

これには米国や韓国に揺さぶりをかけたかったのではないかと考えられています。軍事開発に力を入れている北朝鮮ですが、その反面、経済制裁に苦しんでいます。

融和路線で一連の問題の解決を目指していますが、北朝鮮は第二回米朝首脳会談で何も得られなったことに対して歯がゆい思いをしていました。この状況を打破したい意図も込めて、アメリカ、韓国などが飛翔体発射でどのような行動をとるか様子をうかがっていると考えられています。

おわりに

中国、韓国と同様に日本は北朝鮮とも様々な問題を抱えています。これらは今に始まったことではありませんが、核保有の懸念を踏まえれば、日本にとって日に日に脅威になっていることは間違いないでしょう。

果たして、両国が正常に国交を結ぶ日はやってくるのでしょうか?

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