2019年の10月に、日本の消費税率は8%から10%へ引き上げられました。私たちからしてみれば、増税は歓迎しがたいものがあるかもしれませんね(笑)
一方北欧のスウェーデンでは消費税率がなんと25%と設定されています。我々にとっては考えられない数字ですが、多くのスウェーデン国民はこれを受け入れています。
それは一体なぜなのでしょうか?
消費税って何?
消費税・・・ 消費一般に広く公平に負担を求める間接税で、最終的には商品を消費したり、サービスの提供を受ける消費者が負担し、事業者が納税します。事業者は、消費者等から受け取った消費税等と、商品などの仕入れ(買い入れ)のときに支払った消費税等との差額を納税することになります。
参考:国税庁 [税のしくみ] 税の種類と分類 https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page02.htm
消費税は間接税の一種です。日本では1989年に竹下登内閣の時に導入され、はじめは3%に設定されました。1997年橋本龍太郎内閣では5%に引き上げられ、2014年安倍内閣は8%に引き上げています。
そして今年2019年10月に、消費税が10%に増税する予定です。
今回の増税では軽減税率が導入されます。テイクアウトは8%、店内飲食は10%となり、飲食店で大きく変わっていくことになります。
世界の消費税率
日本の消費税率は8%で高いなあと感じる方もいるかもしれませんが、国際的に見ると、もっと高い国がたくさんあることが分かります。
上のデータから分かるように、先進国の中で10%を超える国はたくさんは存在し、中には20%を超える国さえあるのです。特にスウェーデンやデンマークなどの北欧圏は非常に高い税率になっていることが分かります。そこで本記事ではスウェーデンの消費税事情についてご紹介したいと思います。
福祉国家スウェーデン
スウェーデンってどんなとこ?
基本情報
人口:約1022万人
面積:約45万㎢
首都:ストックホルム
政体:立憲君主制
参考:外務省 スウェーデン基礎データ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/sweden/data.html#section1
スウェーデンは日本より北に位置しますので、当然冬には厳しい寒さに耐えなければなりません。東京の平均最高気温の変動が、おそよストックホルムの平均最低気温の変動と一致するほど両国の気候は異なります。
またスウェーデンと言われて皆さんが一番に思いつくのは、やはりIKEAでしょうか?。家具チェーン店IKEAやファストファッションブランドH&Mはスウェーデンが発祥地です。有名人ではサッカー選手のズラタン・イブラヒモヴィッチ、アーティストのアヴィーチー(享年28歳)などがいます。
手厚い社会保障
スウェーデンは福祉国家と呼ばれるくらい、社会保障サービスがとても充実しています。その理由はまさにこの高い消費税率のおかげなのです。確かに日本と比べて、スウェーデン国民は一人当たりの税負担は重いですが、国に納めた分だけのリターンが返ってくることが約束されています。
医療費が無料
代表的な社会保障サービスの1つが医療制度。18歳以下は無料、成人でも年間の自己負担額が診察料は約1万3000円、薬代は約2万5900円までに抑えられます。介護サービスも整っており、国民の健康な暮らしの支えとなっているのです。
学費もタダ
スウェーデン政府は教育業界にも力を入れています。小学校から大学までの授業料はなんとタダ!これによって高い教育水準を実現しています。また保育園でかかる費用の大半も負担してくれるので、育児で大変な親も助かっています。
日本では義務教育は中学までで、高校でも一部無償化を行っていますが、大学までは負担していませんね。もちろん高校、大学の授業料無償化には議論の余地がありますが、近年貧富の差による教育格差も看過できない問題であるのも事実です。
これに対しスウェーデンでは、若者に対して平等な教育機会を与え、優秀な人材を一人でも多く社会へ送る投資を行っているのです。
このように、国民への還元システムがしっかり整っていることから、多くの国民は高い税率でも納得をしています。
おわりに
高齢化が著しく進む今日の日本社会では、社会保障費の確保は不可欠なはずです。このような制度を日本で導入するのは難しいとは思いますが、問題解決のヒントになるかもしれません。
参考文献
シェフトモ 【飲食店の軽減税率】対象ケースは?テイクアウトは8%!? https://makestory.jp/media/cp-consumption-tax/
プレジデントオンライン 日本が北欧のようになるのは、もう無理か https://president.jp/articles/-/24977
yomiDr. [税と安心 一体改革の行方](1)消費税25%、北欧は納得
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20120224-OYTEW51621/
消費税25%でも、相続税はナシ! ゼロからわかるスウェーデン「超合理的な社会」のしくみ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/45514
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