外部から専門家がやってきて社会のことやキャリアのことについて話してくれる出前授業。
しかし、何を話してくれたのか覚えていない、つまらなくて寝てしまった、そんな経験、みなさん自身もありませんか?
せっかく貴重な機会となるはずなのになぜいまいち効果的な授業となっていないのでしょう?
今回は出前授業における失敗パターンをもとに、ちゃんと生徒の心に届く出前授業のポイントをご紹介します。
話し手の人柄が伝わっていない
専門的な知識も、熱い想いも、「誰が話しているのか」で伝わり方が大きく変わる経験はありませんか?
たった一時間や二時間で心に届けるためにはどんな人が話しているのかということが大前提です。
スーツを着ているけどこんな一面もあるんだ、難しそうな話をしているけどもともと同じ高校生だったんだ、というように話し手を身近に感じてもらうことで伝わることがあります。
楽しく、親しみを感じることのできる自己紹介から始めていきましょう。
生徒のニーズがわかっていない
出前授業で「話し方も内容も悪いわけではないのになぜか生徒にいまいち伝わっていない」最大の理由は
「わからない人の気持ちがわかっていない」。
生徒がすでにどんな知識を持っているのか、どんなイメージを持っているのか、どんなことを知りたいと思っているのか、実態がわかると生徒の視点が見えてきます。
あくまでも何を伝えるのではなくどう伝わるか。
生徒の現状を知らないと話のスタートを切ることはできません。
学校に出向いたときに生徒に直接質問してみるのが一番確実な方法です。
そもそもなぜ授業時間を割いているのか考えていない
出前授業の内容を考える時、何を伝えるのか、どのように伝えるのか、そのことばかり意識してしまっていませんか?
もちろんそれも大事ですが、一度改めて考えてみてほしいのは「そもそもなぜそれを教えるのか」ということです。
「テストに出ないのならちゃんと聞いていなくていいか」と思ってしまうのが中学生・高校生。
なぜ考える必要があるのか、はっきりさせましょう。
評価基準を決めていない
こんなことを伝えたい!そんな想いはきっと誰にでもあると思います。
たとえば「政治に興味を持ってほしい!」など。
しかしそれは教師の願いです。
生徒の目線に立ってみてください。生徒がどんな状態になればOKでしょうか?
文科省が定めた評価基準には大きく3つの観点があります。
- 知識・技能(どんな知識や技能、概念を身につけたらよいか)
- 思考・判断・表現(どんな思考や判断、表現ができるようになればよいか)
- 主体的に学習に取り組む態度(生徒がどんな態度や関心を持てるようになればよいか)
「政治と生活のつながりに気づくことができる」「自分がどんな政策に賛成するかどうか理由も含めて文章にすることができる」「ニュースも見てみようと思うことができる」など具体的に設定しましょう。
いかがでしたか?
今回は「自己満足で終わる出前授業4つのパターン」についてご紹介しました。
これでつまらない、いまいち伝わらない外部講師の授業も改善することができます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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