※こちらの記事は、過去に代表挨拶としてホームぺージに掲載されていたものを、転載したものです。
「若者と政治のキョリを近づける」学生団体ivote も12年目に突入します。
若者と政治を取り巻く環境は、この10年あまりでネット選挙運動の解禁や選挙権の引き下げなど変化が生じています。
一方で我々の指標である投票率の向上はなかなか見られません。
この1年間に限っても、ivoteに限らず多様な主体が多様な手段で、若者と政治の在り方を模索しました。それでも先日行われた統一地方選挙では、過去最低の投票率を更新してしまいました。我々の目指す社会を形成する難しさを痛感する日々です。
そんな中私自身に、一年前代表に就任した時から決定的な変化が生じています。
私自身が20歳の誕生日を迎え成人になったことです。成人になるとは、どういうことでしょうか。連続した時間に生きているうえで、何か決定的な変化が生じたわけではありません。しかし社会は、成人という明確な「区切り」を与えます。
区切りを与えられた我々は、国や地域の仕組みのうえで新たに“責任”を背負わされます。例えば、年金のための負担が強いられるように社会の担い手に引き上げられるのです。
半ば強制的に社会に組み込まれていく中で、「成人とは社会の一旦を引き受けることではないか」と思いました。確かに仕組みの上では成人になりました。
一方で「成人」という役割だけが与えられても、民主主義社会は機能しません。より精神的な態度を重視して「社会を引き受け主体的に担える人」をある種の大人だと考えます。
例えば投票に行くように。あるいは、より身近な地域や学校の範囲で公共の精神を持ち、自分事に捉えて他者に働きかけるように。
このような社会の担い手としての考え方や態度は不十分で、それを教育する環境も未発達ではないでしょうか。その整備は民主主義社会において、健全なエコシステムを形成することではないでしょうか。
若者の低い投票率は、これが表面化したものだと考えます。成人となる区切りにおいて、我々の活動の意義を再認識しました。
我々はこの国に生まれ、この国に守られ育てられ、いつかこの国を託していきます。「令和」の時代を迎えるなかで、国あるいは地域を主体的に担える若者と、担いたくなる環境を作り上げていきます。
今年度も学生団体ivoteをご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。
平成31年4月28日
学生団体ivote 8代目代表 正生 雄大
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