令和“だから”学ぶ高梁市と山田方谷@岡山|FWレポート

活動レポート

みなさんは、岡山と聞かれて何を思い浮かべますか?

桃太郎?くだもの?倉敷?

いえいえ、実は幕末の政治家「山田方谷」とその出身地「高梁市」こそ岡山の真髄なんです。(勿論他にもたくさんの魅力的な場所がありますが)

我々学生と若手社会人は、「高梁市」の政策、そして「山田方谷」の思想を学ぶために、全国学生連携機構主催のフィールドワークを行いました。

なぜなら、令和の新たな時代を考える時、この2つの視点が欠かせないと思ったからです。

この記事で、フィールドワークでの学びを少しだけ皆さんに共有したいと思います。

FWの様子ダイジェスト動画

今回のフィールドワークの様子を、3分程度×2本のダイジェスト動画にしました。

まずは、コチラをぜひご覧ください。

若者がゆく高梁・山田方谷の学び①in岡山(JASCA)
若者がゆく高梁・山田方谷の学び②in岡山(JASCA)

この2日間で、現代の問題を捉える引き出しをたくさん獲得できました。それぞれの行程を詳しく見ていきましょう。

機能は二十面相【高梁市立図書館】

まずは平成29年に開館した高梁市立図書館を訪れました。

備中高梁駅から直結アクセスでき、年中無休で開架(本棚に並べてある本)だけでもおよそ9万2000冊の本が読めます。

蔦屋書店とも提携していて、中にはスタバも併設されています。デザインも拘りぬかれていてオシャレ過ぎる。

オープン以来、老若男女が集うコミュニティ施設になっています。

訪れた当日も、会話を楽しむおじいちゃんおばあちゃん、テスト勉強に勤しむ高校生、絵本を読み聞かせる親子など、本当に多様な人々で賑わっていました。

この施設を“政策”として考えると、様々な側面が見えてきます。

文化資本であり、イベント会場であり、コミュニティ施設であり、交通結節点でもある。様々な顔を持つ図書館は、コンパクトシティを考えるうえでもカギになります。

近藤高梁市長 講話・意見交換会

近藤高梁市長から、高梁市とその政策について講話と意見交換の機会をいただきました。

高梁市は平成30年の7月に豪雨の被害にあい、今なお復旧・復興の最中にあります。

長い目で見れば、一地方として人口減少・少子高齢化と向き合いながら市を発展させていかなければなりません。

限られたリソースのなかで、現実の利害を調整し、政策に落ち込む。その難しさは想像に難くありない。

東京に住む若者としても、このような地方を踏まえて日本全体の設計図を考えるうえで、あるいは少子高齢化がますます深刻な問題になっていく上で、他人事とは言えないでしょう。

ヒントになったのは、「その場所に住む人には当たり前のことが、外の人からすれば大きな気づきになる」こと

備中松山城を雲海に浮かぶ城とブランディングするうえでも、「外の視点」が重要だったそうです。

江戸から令和の弁柄産業をなぞる【吹屋ふるさと村】

続いて吹屋を見学しました。しかし、訪れたのは吹屋だけではありません。

  • 広兼邸(市指定重要文化財)
    • 硫酸鉄の製造、精製を手がけた庄屋・広兼氏の邸宅
  • 笹畝坑道(近代文化遺産)
    • 江戸から大正まで黄銅鉱、硫化鉄鉱を算出していた坑道
  • 備中吹屋(近代産業遺産)
    • 弁柄に染まった現代の観光資源。かつては人・モノが集うコミュニティだった

などなど吹屋を巡る産業を江戸から、現在にかけて歴史をなぞるように学び取ることができました。

特に印象に残ったのは、山田方谷の政治力の話。

備中松山藩の財政再建に際して、江戸の大火を聞きつけた方谷は、良好だった幕府との政治的関係を活かして、釘を幕府に売りぼろ儲け。

さらに、採掘や加工によって起きた様々な公害は幕府の、今でいう補助金の力で抑え込んでいたとのことです。

令和にも生きる方谷の思想【山田方谷記念館】

山田方谷の歴史資料や解説パネルなどを併設している、山田方谷記念館にも伺い、山田館長との意見交換も行いました。

山田方谷とは

ーー備中松山藩出身。若き頃は朱子学・陽明学を学ぶ。その後備中松山藩に戻り財政の責任者を務めて10万両の借金を7年で返済する。晩年は教育に徹して後任を育成する。

思想を深めるだけでなく、それを現実の実践にまで落とし込み成果をあげた山田方谷。

たくさんの言葉を残していますが、そのなかから一つ取り上げます。

「義を明らかにして、利を図らず」

ーー目先の利益ではなく、人間としての正しいあり方を重んじるべし

現代と照らし合わせても決して色あせない教えです。

しかし、この教えを忠実に実践するのは簡単ではありません。方谷の信念を全うする態度の原点はどこにあるのでしょう。

幼少期に方谷は、師である丸川松隠から志を問われています。

方谷は、父母の恩と天地の恵みに報いるために「世の中を救うこと」 と答えています。

いただいたご恩を世に返す姿勢が、志を実践のなかで全うし、教育者としても考えを後世に繋いでいく原点であると気づきました。

館長からは、方谷が幼少期から多種多様な学問に関心持ち、吸収していた話が強調されました。同じ若者としては身に染みます。

おわりに

この記事で紹介できたのはほんの僅かで、他にもたくさんの学びがありました。

今回の行程は、高梁市をはじめとして、市内外からたくさんのご協力をいただきました。心より御礼申し上げます。

山田方谷に引き付けて言うならば、これを学びで終らせずにいかに行動に落とし込めるかが求められています。若者であればなおさらでしょう。

令和の時代に即した実践を最たる恩返しと考え、邁進したいです。


全国学生連携機構(JASCA)では、今回のように

  • 地域の政治や歴史に学ぶフィールドワーク
  • 著名人を招いてのディスカッション・意見交換・講演

などを企画しています。企画・参加に興味がある人は、JASCA Facebookページもしくは、JASCAメールアドレス(info.jasca.team@gmail.com)よりお問い合わせください。

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