さていよいよ、待ちに待った参議院議員選挙が今年の7月21日に行われます。
今回はその前に皆さんに参議院について少しでも知って頂き、今回の参議院議員選挙で投票に行って頂くきっかけになればと考え、参議院についてご紹介したいと思います。
参議院について
まず、簡単に参議院についてご紹介いたします。
- 議員定数 245 ・・・*
- 任期 6年(3年ごとに半数が改選)
- 選挙方法 都道府県単位の選挙区選挙(146人)と非拘束名簿式の比例代 表選挙(96人)
*2018年より6議席増加。 2019元年7月29日から2022年7月25日までの間は245人。2022年7月26日以降は248人(選挙区148人、比例代表100人)。
国会では、衆参両院は基本的に対等の立場であり、法案の成立、予算や条約の承認、内閣総理大臣の指名には、衆参両院それぞれ過半数の賛成が求められます。
しかし、それだと多数党が衆参で異なる「ねじれ国会」のように両院の意見が一致せずに国会としての意思決定が出来なくなる恐れがあるので、衆議院の優越が定められています。
すなわち、参議院で法案が否決されても衆議院で3分の2の多数で再可決すれば、法案が成立するのです。
参議院は必要か?
問題
前述の通り、衆議院の優越により、参議院で通らなかった法案は最終的に衆議院で可決してしまうので、参議院の必要はあるのかと疑問に思われてしまうかもしれません。しかし、二院制議会が存在しているのにはそれなりの訳があります。
日本では、内閣総理大臣は衆議院の多数党から選出され、内閣が法案提出をしても衆議院が同じ政党が多数派を占めているために法案が容易に通ってしまいます。
これでは、立法府、行政府が一体となっている構図であるために三権分立の原則が保たれているとは言えません。
そこで参議院の出番という訳です。参議院は衆議院で通った法案成立を慎重に行い、立法府と行政府の距離を保って日本の三権分立を機能させる役目を果たしています。
実例
その参議院が上手に機能していた例が2007年と2012年の参議院選挙での出来事です。2007年に自民党と公明党の連立与党が、2012年には民主党を中心とする連立与党がそれぞれ敗北しました。
これにより参議院の過半数を野党が占め、衆議院と参議院の多数党が異なる「ねじれ国会」が形成されました。衆議院の優越があってもやはり、衆議院多数派の与党への影響は避けられず、実際に内閣が提出する法案が国会で成立する件数が著しく低下しました。
このような状況下では、与党は他党との連立で参議院の多数派となるか、衆議院で再可決するか、あるいはこれらが不可能な時は最終的に野党に譲歩するしかないのです。
これは与党の政権運営にとっては大きな足かせであることは間違いないですが、しかし、その一方で国会の立法府としての本来の役割を果たすことができます。
すなわち、与党だけでなく野党の意見も法律に反映させることで、より広く国民の意思を取り入れることが出来るのです。
最後に
ここまで、参議院について説明してきましたが、いかがでしたか?
現代において、私たちの生活は明日食べる物や寝床が無いといった状態にあることは滅多になく、ある程度満たされた生活を送っているために中々政治に関心向けることが難しいかも知れません。
しかし、このような政治的無関心の増大は、政治に対する市民の監視を弱めることになり、最悪、政治の暴走を招く恐れがあります。その結果、最終的にその不利益を被ることになるのは紛れもない私たちなのです。
したがって、政治に対する関心が無くても政治家にしっかり私たちが監視しているんだという態度を示す必要があり、そのための手段の一つが私たち有権者一人ひとりに与えられた投票なのです。
参考文献;川出良枝・谷口将紀著、政治学、東京大学出版
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