【民主主義の学校】地方自治とは?

都知事選2020

こんにちは!

突然ですが皆さんは、地方自治とは何か、知っていますか?

地方自治は「民主主義の学校」と言われるほど、民主主義において非常に重要な役割を果たしています。

この記事では、地方自治に関する基本的事項を学べるようにしていきたいと思います。

地方自治とは?

地方自治は、日本において明治時代あるいはそれ以前から存在してきた概念ですが、戦後、1947年に地方自治法が定められたことで、憲法上初めて規定されました。

地方自治は、住民自治団体自治という概念から成り立っています。

住民自治:「地方自治は、その地域の住民の責任と意思によって行われるべきだ」というもの。住民は、地方公共団体の長や議員を選挙で選ぶことで、住民自治を行っています。

団体自治:「地方自治は、国から独立した地方公共団体によって行われるべきだ」というもの。条例の制定など、その地域に合った政治を行うために、団体自治が行われています。

地方公共団体の機関・組織

それでは、地方自治の担い手である地方公共団体は、どのような機関・組織から成り立っているのでしょうか?

地方公共団体には、議決機関である議会と、執行機関である首長が存在します。

それぞれの任期、被選挙権、仕事内容等は以下のようになっています。

地方自治では、首長が議会に議案を提出し、議会がそれを議決することで予算や条例が決定します。つまり、首長だけでそれらを決めることはできないようになっています。

首長は議会に対して解散指示を、議会は首長に対して不信任決議を行うことが可能です。首長と議会の意見が対立した場合には、専決処分や再議、不信任・解散などの調整方法がとられます。

総務省「議会のあり方・長と議会の関係について」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000059438.pdf#search=%27議会+首長%27

また、地方公共団体には、執行機関として知事・市町村長の他に、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会などの機関があります。

首長と議会の関係

首長と議会の関係は二元代表制です。

つまり、行政と議員の二つの機関の代表が住民によって選ばれています。これにより、住民の意見が政治に反映されやすくなります。

ここに、地方自治が「民主主義の学校」と呼ばれる理由があります。

例えば、日本国家の政治体制は議院内閣制、つまり一元代表制を採用しており、私たち国民が選挙で選べるのは議員のみで、内閣総理大臣を選ぶことはできません。

一方で、地方自治では二元代表制が採用されているため、住民は首長も議員も選ぶことができます。したがって、地方自治は住民の意見をより政治に反映させやすく、民主主義により近いということなのです。

国と地方の役割分担は?

それでは、国と地方の役割分担はどのようになっているのでしょうか?

地方自治法第一条第二項には、以下のように記されています。

地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。

地方自治法 第一編 総則 第一条の二

そして、この規定の趣旨を達成するため国が果たすべき役割として、以下の3つが例示されています。

①国際社会における国家としての存立にかかわる事務

②全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動もしくは地方自治に関する基本絵的な準則に関する事務

③全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施

また、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねるとされています。

地方公共団体の仕事

それでは、地方公共団体は何をしているのでしょうか?

地方公共団体は住民の生活に密着した様々な仕事を行なっており、その仕事は自治事務と、国から委託された法定受託事務に分けられます。

まず、自治事務としては

・土木・建設・公園・道路・河川などの整備や管理
・学校などの教育・文化施設の整備や管理
・地方公営企業の経営
・水道・バス事業などの経営
・消防・水防
・ごみの収集・処理
・産業の振興
・公害対策の推進

などがあります。

次に、法定受託事務としては

・国政選挙の事務
・戸籍・住民登録などの事務
・パスポートの公布
・国の指定統計の事務
・国道の管理

などがあります。

このように、地方公共団体は様々な仕事を行なっています。

直接請求権

地方自治の実現のために住民に認められている権利としては、直接請求権があります。

直接請求権とは、有権者である住民が一定割合の署名を集めることで、首長や選挙管理委員会に対して条例の制定・改廃の請求や、議会の解散請求、解職請求(リコール)などを求めることができるというものです。

イニシアチブ・・・有権者が条例の制定・改廃などについて請求すること

リコール・・・有権者が首長・議員を罷免や議会の解散を要求すること

上記の通り国政と比べ住民が直接権利行使できる幅が広くなっています。このように、住民がより政治参加しやすいシステムであり、身近なイギリスの政治家ジェームズ・ブライスは「地方自治は民主主義の学校」と説き、地方自治制度が政治参加意識を育むと考えました。

おわりに

今回は、地方自治の基本的な事項について説明しました。

地方自治は「民主主義の学校」と言われるように、私たちの生活に非常に重要な役割を果たしています。

本記事が、地方自治を身近に感じるきっかけになれば幸いです。

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