民主党のジョー・バイデン氏は2020年8月11日、副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員を選びました。
いったい彼女はどのような経歴を持っているのか、また、かつては敵対した仲であるバイデン氏がなぜ彼女を選んだのかをみていきます!
司法から政治へ
カマラ・ハリス氏は、元カルフォルニア州司法長官で、生粋のリベラル派です。
ジャマイカ系の父とインド系の母の間に生まれ、カルフォルニア州で育ちました。黒人の名門校であるホワード大学を卒業後、カルフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールを経て検察官としてのキャリアをスタートしました。2011年にはカルフォルニア州で初のアフリカ系女性司法長官となりました。
2017年には、黒人女性として2番目の上院議員となりました(カルフォルニア州)。
2019年1月に大統領選出馬を発表しましたが、支持を集めることはできませんでした。
民主党予備選のテレビ討論でバイデンのかつての人種差別問題を追及するなど、バイデンと激しく対立したこともあり支持を得ることができず、予備選を前に撤回しました。
その後、バイデンを支持すると表明しました。
そして2020年8月11日、バイデン氏はハリス氏を副大統領候補に指名しました。
なぜハリスを副大統領候補に?
テレビ討論で激しく対立した両者ですが、バイデン氏はなぜハリス氏を副大統領候補に選んだのでしょうか。
時を遡ると、ハリスがカルフォルニア州の検事総長だった頃、バイデン氏の息子ボー氏と共に公務していたのです。バイデン氏がハリス氏のことを知ったのはボー・バイデンを通してであったといいます。
しかし2015年、ボー氏は脳腫瘍で帰らぬ人となりました。バイデン氏は悲しみから2016年の大統領選に立候補しませんでした。
2020年、副大統領選任委員会でハリス氏がボー・バイデン氏との関係性を話し、それが大きな影響を与えたと言います。
まさにボー氏がつないだ関係と言えるでしょう。
ハリス氏の政策は?
ハリス氏は政策面で課題が残ります。
大統領予備選を撤退したのも、左派と中道派の中で揺れ動いたことが原因です。しかし、左派、中道派に揺れ動く姿勢が、中道派のバイデン氏と党左派側との架け橋となるのではと言われています。
党の左派側としては、バニー・サンダース氏、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏などがいます。
政策を進めるにあたり、党左派との協調は非常に大切です。ハリス氏が党内を調節するために大切な役割になるのではないでしょうか。
将来は大統領か
バイデン氏が勝利すれば、ハリス氏は副大統領に任命されます。
副大統領は上院議長を務め、大統領が任期に辞任すれば憲法に従い大統領に昇格します。
前副大統領ともなれば知名度も高く、将来立候補すれば大統領選挙を優位に進めることができるのではないでしょうか。
また、高齢のバイデン氏が2期目の出馬を断念した場合には非常に有力な大統領候補になるでしょう。
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