「くにまもり」の思いから、日本を再興する

「くにまもり」の思いから、日本を再興する

本記事は「中高生ICOPH研究会Tokai」からいただいた寄稿記事です。
学生団体ivoteの見解を反映させたものではありません。あらかじめご了承ください。

中高生ICOPH研究会 Tokai 共同代表の清水です。

10月1日から消費税が上がりました。これが本当に必要な増税かはともかく、消費税は上がりました。そしてこれは、財務省の勝ちです。その逆として、国民の負けです。

政権与党は、選挙に不利になる筈の「消費増税」を選挙の争点に掲げ、大勝しました。それとは逆に「増税反対」を掲げた野党勢力は敗退しました。

増税によって得をする人。その中には、権力が維持できる者、権力を誇示できる者など様々ですが、いずれにしても善良な国民の敗北であることは確かです。

デフレ不況下での「増税」という判断、そして実行。これを許してしまう国民の敗北なのです。敗北、乃ち「賢くない判断」であるということです。

財務省

1838年と1868年

今から151年前、1868年は何があった年でしょうか。そう、言わずと知れた「明治維新」です。1月3日に「王政復古の大号令」が出され、また小御所会議が開かれます。その結果、

将軍慶喜はその地位を失い、その流れで戊辰戦争へと進んでいきます。これまで朝敵(天皇・

朝廷の敵)とされていた長州側(倒幕派)に「錦の御旗」が翻り、幕府側が朝敵となります。

その後の歴史は、皆さんが知る通りのものです。5月に江戸無血開城、10月には明治天皇が即位され、元号が「明治」に改められます。そして翌年、北海道の幕府軍が降伏し戦争は終結。新政府による大改革が始まり、日本は「富国強兵」の道へと邁進していきます。

ですが皆さん、よく考えて見て下さい。維新が成し遂げられた1868年の30年前、1838年に、このような「大変革」がなされると誰が予想した事でしょうか。きっとゼロに近かったと思います。

しかしながら、長州・薩摩など全国の下級武士や思想家らが一生懸命に学び、考え、必死で行動したからこそ、維新は達成されました。そしてこの必死とは、まさに命を懸けた戦いでもありました。

吉田松陰先生と長州の志士

1838年といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

前年には、大坂町奉行所元与力の大塩平八郎による貧民救済の決起。また翌年には、幕府による蛮社の獄(渡辺崋山や高野長英ら知識人の弾圧)が有りました。文化・文政期の繁栄も衰え、日本中で飢饉や打ちこわしが相次ぐ不安定な世の中でした。

当時の指導者は、大御所の徳川家斉、将軍の徳川家慶、大老の井伊直亮、老中の水野忠邦、松平乗寛など…。後の明治維新に関連する人物は一人としていません。

では、明治維新を成し遂げた人々は誰なのでしょうか。

それは、先述した通り、長州・薩摩などを中心とする「下級武士や思想家」らでした。つまり、私たちと同じ「一般の国民」なのです。

長州では思想家の吉田松陰が「松下村塾」で数多くの志士らに教育を行ない、真に国を護る為に必要な教養と学問を教えました。またそれ以上に、国を思う高い志を育てました。

吉田松陰像(山口県文書館蔵)

松陰先生の言葉にこのようなものが有ります

奪うことができないものは志である。

滅びないのはその働きである。

現状を憂い、ただただ不平不満を口にすることは誰でもできます。

現状を打破する為には、行動が必要です。しかしその行動を起こす源は、「大切なもの」を護りたいという強い志が必要不可欠であると私は考えます。そして、その行動が必ずしも成就しなくても、強い志は人々に受け継がれ、いつか成就するでしょう。

実際、列強の植民地寸前であった日本は維新を成し遂げ、世界の五大国の仲間入りを果たしました。松陰先生、幕末の志士たちの志は今の日本人に生きているのでしょうか。

「賢い国民」になるために

賢い国民とは何でしょうか。私が思うに、自身で積極的に情報を集め、政治家や官僚による政治を監視し、選挙で正しい判断を下す国民の事を指すと思います。

先程にも述べたとおり、ただ「消費増税ウザイ」や「政治が悪いよな~」と、不満を口にするだけでは何も意味が有りません。先ずは、自分から積極的に情報を集め、本を読み、知識をつける。友人や同僚と盛んに政治や社会の事を話しあい、これからの日本について皆で考え合うことが必要です。

日本を良くしたい、他国から侵略されたくない、皇室をお護りしたい、と同じ考えを持った仲間が集えば強い。

その志と思いを政治家や官僚にプレッシャーとして与え、僅かながらでも日本の政治・社会を変える。この動きが今、我々に求められているのではないでしょうか。

我らICOPHの使命

1997年以降、経済は失速。まともな軍事力も戦後70年間失い続け、政治家は政争に明け暮れる官僚支配の時代。2019年、令和最初の年を生きる我々は、まさに江戸時代末期。ひとりひとりの国民が高い志を持ち、日本の国の為に考えることが出来たらどれだけ良いことでしょうか。

このような現状と、若い世代の政治への無関心を憂い、私たち「中高生ICOPH研究会」は設立されました。そして、政治・経済・憲法・防衛といったテーマを若い世代で問題意識を持ち、意見を交わし合い、互いの知識や見識を高めていこうと討論会などを開催しています。

地方から僅かながらでも、日本の国を良くしたいという志を高め、30年後、100年後の未来について考えていくのが私たちの使命です。世界で一番の歴史を持つ日本。その歴史を繋ぐのも、絶やすのも私たちの行動に懸っているのです。

討論会の様子

さいごに 『13歳からの「くにまもり」』を読んで

つい先日、憲政史家の倉山満先生が『13歳からの「くにまもり」』という本を上梓されました。以前から倉山先生の本は参考にしていましたが、この本は「本気で国を守りたい」と考える人向けで、13歳の中学生でも分かるように書かれています。

日本の現状について最低限絞り、今私たちが考えなければいけないことが纏められています。是非とも、私と同世代の中高生の皆さんに読んで貰いたい本です。

また、日本を想う人々の心を倉山先生は「くにまもり」と表しています。この響き、皆さんはどう感じましたか?

帯には「あなたが総理大臣だったら何をしますか」と有ります。米国の教育では、「自身が大統領になったら」と課題が与えられ、考えていくものが有るそうです。国民ひとりひとりが国の未来を真剣に考える。最も大切なことです。

さて、本稿をお読みになった皆さん、まずは一歩。

ネットのニュースで、消費増税について調べてみるもよし。

学校の先生に「日本の歴史」について聞いてみるもよし。

社会が得意な友人に自身が疑問に思っていることを質問してもよし。

簡単な一歩から、日本の未来が変わるかもしれません。

[主要参考文献]
倉山満 2019年『13歳からの「くにまもり」』扶桑社
松浦光修 2011年『新訳・留魂録 吉田松陰の死生観』PHP研究所

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