今年の4月は、統一地方選挙です。
地方政治は「民主主義」の学校とも言われています。有権者が一番身近な政治ともいえる「地域」に対して、意志表示をする絶好の機会。
しかし現実は違います。実際の地方選挙の問題を解説していきます。
地方選挙の低い投票率と理由
地方選挙では、驚くほど低い投票率を記録することが多々あります。その具体例と、原因を考えてみましょう。
地方選挙の投票率
一部の地方選挙の投票率は、国政に比べて極めて低くなる傾向があります。
例えば、千葉市です
千葉市長選挙 | |
平成25年 | 31.35% |
平成29年 | 29.07% |
千葉県知事選挙 | |
平成25年 | 31.96% |
平成29年 | 31.18% |
近年の千葉の首長選挙を20代に限ってみてみましょう。

加えて、福岡市で2018年11月に行われた選挙では約31%でした。
国政における投票率は50%を下回ることはほとんどありません。
このように、地方では国政では考えらないような低い投票率を記録することがあります。
参照:千葉市『投票率の推移』https://www.city.chiba.jp/senkyokanri/touhyouritusuii.html
福岡市選挙管理員会事務局『福岡市長選挙の結果について』http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/66126/1/03_fukuoka_shityousenkyo.pdf?2018112814343
総務省『国政選挙の年代別投票率の推移について』http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
地方の投票率が低い理由
地方における投票率が低い理由として考えられるものを挙げてみたいと思います。
①選択肢がない
地方選挙では、現職VS弱い候補 という構図になることが多いです。自分の一票が与える影響力は限定的になってしまいます。
先ほど例にもあった「千葉市長選挙」や「福岡市長選挙」も同様の構図になっております。
②争点が不明瞭
国政が必ずしも明瞭であるわけではありません。しかし、地方はより争点がはっきりしていないことが多いです。
「保育園の増設」や「雇用環境の改善」など、どの政治家も同じ文言が並びます。有権者から見ると、判断ができないかもしれません。
➂注目度が低い
メディアが大々的に報道する国政選挙に比べて、地方選挙の話題を取り上げる量は減ることも多いでしょう。
④人が地方に根付いていない
皆さんが住んでる地域の問題は何ですか?すぐに答えられる人は少ないのでは?地域社会のつながりが希薄な今、「自分は〇〇区民だ!」という意識が希薄になってはいないでしょうか。
無投票選挙
実は、地方選挙では選挙をせずに当選者が決まることが、よくよくあります。理由は一つ。
議席数より、立候補者数が少ないからです。
そこのあなた、チャンスです。今日からあなたも政治家になれますよ。

民主主義において「選挙」という手続きが行われていないことは問題です。
おわりに
民主主義と選挙には深い関係があります。選挙を経るということが、その地域の政治が民主主義で行われている一つの根拠だと言っていいかもしれません。
しかし、その選挙が「出来レース」になっています。根本的に「地方政治」の制度設計を考えていく必要があります。
一方で既存の仕組み・枠組みを政治で変えることは難しい現実があります。なぜなら、変える主体である政治家が既存の仕組み・枠組みによって選ばれているからです。
人口減少の今、地方が消滅しつつあります。その中で、「地方政治」をどのように成り立たせていくかが問われています。
コメント